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コンクールと私 その7

全国大会本番の朝。手首の痛みは引かず、演奏うんぬんの前に、まともにピアノを弾けるのか。さすがの私たち親子も、緊張感いっぱいでした。
しかし、本番前日にホテルを抜け出して、怪我をしたなんて先生には言えないので、黙ったまま練習会場へ。
他の子の演奏は前日までで終わり、この日は私しか出番がなかったので、先生のご指導の全勢力が私に注がれました。
痛い。痛い。・・・できるだけ手首に負担をかけないようにするしかできなかった私ですが、先生が一言。
「今日はすごくいいね。昨日までとは別人みたいだね。」
なんと、怪我をしたことで、余計な力が抜けて、それまで弾けなかった細かい音符が弾けるようになってしまったのです。
これには、私自信驚き、なんかいけそうな気がすると錯覚してしまうほどでした。
3時間のレッスンを終え、部屋を出る時、先生が、満面の笑顔で、私の母に「絶好調です」とおっしゃっていたのが印象的でした。
むかえた本番は、好調さを維持し、全国の大舞台で、それまでで一番の演奏をすることができ、
入賞(ベスト15賞)をいただくことができました。
こうして、私の初全国大会は、大成功で幕を閉じたのでした。

つづく

コンクールと私 その6

翌日に本番を控えた東京での夜。ホテルに着いてからは特にやることもなかったので、軽くご飯を食べに行きました。
食事も終わり、さて帰ろうといった時。
・・・店内の段差を見事に踏み外し、転んでしまいました。

手首に激痛。チカチカと眩しくて、強烈な吐き気が。

「手首、折れたかもしれない・・・」

時間が経つにつれ、指は動くようになり、結果、折れていたわけではなかったのですが、
小さいころから何度も骨折経験のあった私の一言を聞いた母は、視界が真っ白になり、その場で動けなくなってしまいました。

気の毒なのは、そんな私たちと共に行動していた同じ教室の親子。
アホな親子の介抱をしながら、ホテルまでの道を帰らなくてはならず・・・

ホテルに戻ってからは、すぐにベッドに横になりましたが、あまりの痛みで、なかなか寝付けませんでした。
一晩中、痛い痛いとつぶやき続け、次の日の本番に向けて、十分な睡眠を取れず、満身創痍で朝を迎えるのでした。。。

つづく

コンクールと私 その5

東京へ向かう間は、人生で初めて飛行機に乗ることもあり、緊張感まるで無しの旅行気分でした。
あまりに浮かれすぎて、飛行機の中で「墜落したらどうしよう」とか大声で言ったので、母にこっぴどく怒られてしまいました。
いよいよ着いた東京。人の多さと予想以上の暑さに驚愕。
翌日の本番に向けて、その日ばかりは借りていた練習室にこもり、一日中ピアノに向かっていました。
そして、事件はその日の夜に起こります。

つづく

コンクールと私 その4

あれよあれよという間に進んだ全国大会。
全国決勝大会では、地区予選と地区本選で弾いた4曲を全て弾きます。
コンクールのシステムを知らず、地区予選で弾いた曲は二度と弾かなくて良いと思い込んでいたので、地区本選後初めてのレッスンで、4曲全部通して弾いてみなさいと先生から指示があった時には、かなり焦りました。
というか、むしろ、東京に行けるというだけで、練習する気なんぞさらさらなく、私の先生は、このやる気の温度差に、ほとほと呆れていたと思います。
そんな気持ちにも気づかず、我が親子は、コンクール後に遊びに行くディズニーランドの計画ばかり立てていたのでした(笑)
また、この年は、ドラゴンクエスト4が発売された年でした。そんなわけで、私はピアノよりもゲームの時間の方が圧倒的に多く、同じピアノ教室から全国大会に進んだ女の子親子が本番間近に打ち合わせのためうちに来た時(先生の旅費等を折半したり、東京での日程を確認したりと、打ち合わせることが多いのです)、例によってドラクエに励んでいたものですから、ここでも呆れられたことを覚えています。
そんなわけで、いよいよ次は東京です!

つづく

コンクールと私 その3

初めて札幌で受けるコンクール。
どんな雰囲気で行われるのかもわからず、不安だらけで会場に着きました。
そのうえ、受け取ったプログラムを見ると、同じ級の受検者が百人近くいたので、こんな大人数の中で選ばれるわけがないと、かえって開き直ってしまいました。
また、会場が、今までに弾いたことのない贅沢な作りで、ちょっとしたピアニスト気分を味わえたので、楽しく弾いてこようと気持ちを切り替え、リラックスできました。
そのせいか、本番は、小さなミスを気にしないで、思いきった演奏ができたような気がします。
結果、本人も周りも予想だにしなかった5位入賞。そして、全国大会進出!
普通の親子なら、全国大会でも好成績を残そうと気持ちを新たにするのでしょうが、
我が家はその重さを全く理解しておらず、コンクールにかこつけた東京旅行に思いを馳せるばかりだったのでした・・・(笑)

つづく

コンクールと私 その2

小6の時、PTNA(ピティナ)というコンクールに初挑戦しました。
それまでに受けていたコンクールでは、地区で一位になった人だけが本選に進めるという形式だったのですが、
このコンクールは、参加人数に応じ、複数の参加者が次のステップに進めるため、初めて地区本選である北海道大会に進むことができました。
まさか自分が予選を通過できるなんて思っていなかったので、通過者の中に自分の名前があった時は、とても驚いていたのを覚えています。
ただ、コンクールで好成績をおさめようとはさらさら思っていない私たち親子ですから、
夏休みに札幌に遊びに行ける!と、違う部分で大喜びしていたのでした。

つづく

コンクールと私 その1

最近ピアノのことで色々質問をいただくことが増えてきました。
今回は、コンクールについて書きたいと思います。

自分が初めてコンクールを受けたのは、小学3年生の時。毎日こどもピアノコンクールというコンクールでした。
当時は、子供が受けられるコンクールなんて知らなかったし、同じ教室の子がみんな受けるということで、つられて出てみようというノリでした。コンクールを受けるということ自体、日常生活ではありえず、出られるだけで面白かったので、ほとんど練習もしていませんでした。

当日も、コンクールの緊張感なんて全くなく、いつもの発表会のようなノリで一人うるさくしていましたが、普段ピアノのことに口を挟まない母親が一言。
「あんた、演奏順最後なんだから、恥ずかしい演奏をしちゃだめなんだよ!後半に行くほど上手に弾かなきゃだめなんだよ!」
子供以上にコンクールの主旨を理解していなかった母は、16人中16番目という演奏順を見て、最後に弾く子は演歌の大御所のように締めないといけない立場として既に選ばれたんだと勘違いしていたようです(演奏順は本当にたまたま最後だっただけです)。
とはいえ、私もそんなもんなのかなと素直に思ってしまったので、本番は少し厳粛な態度で臨んだ覚えがあります。
そのおかげか、結果は銅賞。順位的には、16人中3番目の結果をいただくことができました。
思わぬ好順位に、とても喜んだのを覚えています。
恐らく、この結果が、後の自分につながったんじゃないかと思います。

つづく
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じゅんじゅん

Author:じゅんじゅん
音楽と食べ物をこよなく愛する、ちょっとおまぬけな30代です。

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